まさに、海の味だった

まさに、海の味だった。

白ごはんに、塩辛くてしめった海苔、これまた海苔が和えられたちくわの揚げ物。
着色料的な鮮やかな黄色のたくあん。
肉や魚はなし。

目の前に広がる青い海と湿った風と一緒に、海苔のついた白ごはんを口に運べば、あぁ海に来たのだと、あらためて実感する。
泳いだあとの眠さが、なおさら気持ちを盛り上げる。

正直、海苔入りのちくわの揚げ物なんて、これまでの人生で食べたことがないのに、その味は懐かしく、内陸育ちなのに、私は海とともに生きているのだと言いたくなってしまう。

東京から、船で一晩。
この島で散策をする旅行者の昼食の選択肢は、唯一のコンビニエンスストアで売っている、菓子パンか、この海弁当のみだ。

当然、はじめてこの島に降り立った我々は、海弁当を選び、岩場に座って、満足気に食べているのである。


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今日、会社の人と、村上春樹の食べ物の描写は、なぜあんなにおいしそうなのだろうという話になりました。

帰り道にその会話を思い出して、私もおいしいものの描写、練習したい…と思い、過去の写真をあさってでてきたのが、この式根島で食べたお弁当です。

食べ物は、だいたいおいしくこだわりなく食べるのですが、こうやっておいしさや思い出を思い出して、かみしめるのもよいものだなぁと思いました。

ごはんの描写修行、していこうかな。


Today / Here / Me

今日、ここで、私が出会ったもの。 単なるリアクションの先を考えたら、もっと深いところが見えるかもしれない……ということで、修行中!

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