実はマルチタスクワーカーでもなかった「きみは、マルチタスクワーカーだね!」昔々、働きはじめて2年目くらい。一生懸命ふってくる仕事をこなしていたときに、上司から言われた言葉です。この言葉がなんだかずっと残っていて、私はマルチタスクが得意だし、好きなんだと、なんとなく思っていました。でも、最近そんなにマルチタスクは合っていないのかもなぁと思っています。それは、自分でやるべき仕事をマネージしなくてはいけなくなったからというのも、あるのだと思います。(与えられたやるべき仕事をどんどんこなすのは、単なる効率だけを考えればいいから、わりと楽)ただたぶんそれだけでもなくて。今はこのプロジェクトのことばかり考えていたいのに…!と思うことが多々ある最近です。必要なことだとわかりつつも、...29Sep2016仕事アートや音楽
中島らもと、どっぷり感覚に沈み込むことへの憧れライブで音の渦に飲み込まれて、前も後ろも上も下もなくなる感覚が好きです。疲れるので最近は行かないけれど、クラブもそんな気持ちになるから、好きでした。具合が悪くなるから、お酒はそんなに飲まないけれど、中島らもの『今夜すべてバーで』の主人公がアルコール中毒になる気持ちは、わかるなぁと思います。この小説、中島らも自身のアルコール中毒の経験がもとになっていることもあって、アルコールを飲む理由とか、飲んだときの感覚の描写がとてもリアルなのです。アルコールは、「この世からどこか別の所へ運ばれていくためのツール」とか。26Sep2016アートや音楽人Books
すぐ手に入るものにも、わくわくすること「何食べたい?」この質問に答えるのが苦手です。一人暮らしで、なんでもある東京で、食べたいものを食べて生きているからか、さっぱり浮かびません。海外駐在からの帰国直後は、「豚肉!」としばらく言っていたのですが、もう2年も経つと豚肉にも満足してきました。「あなたが食べたいものを食べるのが、私にとって一番幸せです」と、いつも心から思っています。笑面と向かって会っているときは、それでいいのかもしれませんが、LINEでそれを言うと、相手は困るのだろうなぁと思います。かつて読んだ漫画かなにかでは、「そういうときは、相手が食べたそうにしてるものを予想して、答えるべし」と説かれていました。でも、面と向かって会っていないと、なかなかこれも難しいし、「何...24Sep2016
ニンジンを千切りする時間とウェブサイトをつくる時間料理して、掃除して、人と会って、仕事して、ヨガして…とかしてると、個人的な夢を進める活動するの忘れちゃうなぁと思います。当たり前ですが、人のパワーも時間も、有限なんだと、あらためて感じた三連休。そんなすべてに全力ではいられないです。今の私はどこにパワーを配分したいのか、耳をすませないとなぁと、久々に作り置きのごはんをつくりながら考えた週末でした。もしかしたら、ニンジンを千切りする時間をウェブサイトづくりにあてていたら…とか。でも、千切りしてつくられる健康な身体あってのウェブサイトでもある気もします。疲れがとれれば、時間は生まれそうですし。バランスですね。(写真は、今日の作り置きじゃなくて、ドイツのair b&b。いいキッチン...19Sep2016ごはん
孤独フレンドリーな街、東京エーリッヒ・フロムの『愛するということ』。名著と言われるだけあって、生きていくうえで示唆になるメッセージがたくさん詰まっていました。それだけに、人生のタイミングによって、心に残るものは違うのだろうなぁと思います。18Sep2016ごはんBooks
描けるようになれたら、自由がある気がするそういえば、中高生の頃はテスト勉強のときに、プリントによく絵を描いていました。飼っていたダックスフンド。お気に入りのシャーペンについているマスコットのサンダーバニー。当時すみずみまで読んでいたVIVIのモデルさん。佐田真由美ちゃんとか。二次関数の公式と絵だと、絵の方が多いんじゃないかっていうプリントだらけだった気がします。それが大学にはいってから、めっきり描かなくなりました。レポートの多い学部で、そもそもペンを握ることがなくなって、そうするとそれまで意識的に絵を描く時間をもうけてきたわけではなかったから、描くことをしなくなりました。それから、早10年。絵を描く人を「へぇ、いいですねぇ」とにやにや眺める立場が板について、自分が描くのも...17Sep2016アートや音楽
銭湯でいつも、時空を超えた気分になる銭湯の湯船につかって、洗い場に並ぶ人たちを眺めていると、タイムスリップしたような気持ちになります。もちろん現代風の洋服はなく、着瘦せ術で隠されていた意外と存在する贅肉が見え、髪は濡らしてしまえば、ボブもゆるふわもなにもありません。つけまつ毛をはずして、きれいに描かれた眉毛を落とせば、きっと室町時代にもこんな人いたんだろうなぁという感慨深い顔に皆なります。おばぁさんも、おばちゃんも、おねえさんも、若者も、お風呂ですべて脱いで洗い流せば、2016年の人かどうかなんて、わからなくなる……湯気の向こうに見える風景を眺めていると、そういう時空を超えた感覚になって、いつも一人でいいなぁと思っています。16Sep2016場所
友人としてこんなに仲良いなら、恋愛関係も居心地の良さという誘惑に負けて、彼と交際することも真剣に考えた日もあった。恋をして楽になりたかったのだろう。そうすれば幸せになれると本気で勘違いしていた。いつも読んでいるキャシーさんのコラムの最新記事に、こんなことが書いてありました。キャシーさんは、トロント在住のゲイで、セクシュアリティやジェンダーに関する発信をされている方。この方の恋愛や偏見の話は、いつもささるのですが、今回は今の自分を見ていたのかのような話で、どきっとしてしまいました。「だんだんみんな結婚して、気が合う人っていうのも、いなくなっちゃうかもしれないんだよ?」婚活に焦る友人のこの言葉に影響されて、リラックスできるし、気は合うし、この人でいいじゃんと行動を起こしはじめ...15Sep2016人
まさに、海の味だったまさに、海の味だった。白ごはんに、塩辛くてしめった海苔、これまた海苔が和えられたちくわの揚げ物。着色料的な鮮やかな黄色のたくあん。肉や魚はなし。目の前に広がる青い海と湿った風と一緒に、海苔のついた白ごはんを口に運べば、あぁ海に来たのだと、あらためて実感する。泳いだあとの眠さが、なおさら気持ちを盛り上げる。正直、海苔入りのちくわの揚げ物なんて、これまでの人生で食べたことがないのに、その味は懐かしく、内陸育ちなのに、私は海とともに生きているのだと言いたくなってしまう。東京から、船で一晩。この島で散策をする旅行者の昼食の選択肢は、唯一のコンビニエンスストアで売っている、菓子パンか、この海弁当のみだ。当然、はじめてこの島に降り立った我々は、...13Sep2016ごはん
「私たちの今後の関係」のために言うと……「争うっていうのは、誰かが誰かをひれ伏させるとか、支配するとかではなくて、お互いの軸をぶつけあって、新たな道をつくることですよ。『争う』という言葉が適切かは、わからないけれど」先日、言われた言葉です。 そういう意味だったとしても、「争う」って、とても難しいなぁと思います。仕事とか目的がはっきりしているものならまだしも、個人的な人間関係だったりするとさらに。たとえば、家族、友人、恋人。「あなたのために、やっておいたからね!」「どうせあなたには、できないだろうから」「ほら、やっぱりきみは気が利かない」「あなた世間一般では微妙でも、私にとっては最高だから」「やっぱり、きみはおかしいね」「あなたを楽しませるために、こんなにいろいろ...12Sep2016人
喫茶店の貴婦人。変わらないものへの憧れと恐怖「お待たせをいたしました。お紅茶です。あとお砂糖も……あら、こちらお砂糖を入れているから、お砂糖はいらないのでしたわ。でも、置いておきますので、足りなかったら使ってくださいましね。」立ち襟のテロッとした花柄のブラウスとしっかりした素材の膝丈スカート。後ろできれいにまとめた白髪。やわらかく丁寧な所作。そして、なにより現実世界ではあまり聞いたことのない言葉遣い。貴婦人だ。昔の小説を読んで想像したことしかなかったけれど、そう思った。2016年の中央線沿いの雑多な街で、彼女は異彩を放っていた。絶え間なく訪れる台風で、なかなか洗濯ができなくて、今日はとうとうコインランドリーに来た。シーツがぐるぐるまわっている間にと訪れた、コインランドリーの隣...10Sep2016場所
ノンフィクションにも、フィクションの気遣いを普段、あまり口語体の本は読まないのですが、人気の秘訣は何なのか気になって、ある旅行記を読んでみました。はじめはこのヴィレヴァン的な旅人のノリが苦手だなぁと思っていたのに、いつのまにか先が気になり、線をひく箇所も増えていき、いっきに読んでしまいました。人気がある本は、テーマへの共感とか、ノリや文体の好みを超えて、ただおもしろかったのです……。09Sep2016Books